アダルトチルドレンは大人になりきれない大人ではありません。

アダルトチルドレンという言葉をあなたも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。アダルトチルドレンは大人になりきれない大人ではありません。
子供のころ育った家庭が機能不全家族であったために、自分自身を抑圧して育ち、大人になっても人との関わりにおいて困難を抱えている人のことです。

機能不全家族とは

家族団らんや、お互いが支え合うなど、子育てや生活において家族としての機能がうまくいっていない家庭のことです。
主に親から子どもへの虐待、ネグレクト(育児放棄)、子どもに対する過剰な期待、親がギャンブル依存症だったり生活困窮状態であったりというケースもあります。

ただし、全く普通の家庭に育った場合でも起こることがあります。もしかしたら、あなたにもアダルトチルドレンの生きづらさがあるのかもしれません。

アダルトチルドレンの6つのタイプ

ヒーロー(hero / 英雄)

勉強もスポーツもできる優等生、誰からも認められる頑張り屋さん。
家族がそれを喜んでくれることで一時的に家族の雰囲気がよくなるため、頑張り続けなければならない。

スケープゴート(scapegoat / 生贄・いけにえ)

極端に悪い成績を採ったり、問題行動を起こすことで「ダメな子」を演じている。
「この子さえいなければ」と家族の目を引き付けることで本来の家族の問題から目をそらせ、家族の真の崩壊を防いでいる。

ロストワン(lost one / いない子)

大人しく、手のかからない、存在感の薄い子供。親の顔色をうかがい、波風を立てないように振る舞い、目立たないことで家族内のトラブルから離れ、自分の心が傷つくことを免れようとする。

プラケーター(placater / 慰め役)

家族の中で暗い表情をしている人、家族の怒り、悲しみなど大人の負の感情を受け止め、疲れ果てた家族に寄り添い慰める小さなカウンセラー。

クラウン(clown / ピエロ・道化師)

家庭の空気が悪くなりそうになると、おどけたり、ふざけたりして笑わせ、明るい雰囲気を作ろうとする。人から可愛がられ、他人から見ると悩みなんてなさそうにみえるが、実はさびしい素顔を持つ。

イネイブラー(enabler / 援助者)

他人の目的達成のために、自己犠牲的で献身的に尽くすが、同情心が強く、甘えてくる相手を突き放すことができなため、助けるつもりで相手のためにならないことをしてしまう。相手の世話を焼く、相手の心配をすることで自分の問題から目をそらしている。

アダルトチルドレンの特徴を演じる目的

今回ご紹介したアダルトチルドレンの6つのタイプは、アメリカのセラピスト ウェイン・クリッツバーグがアダルトチルドレンを理解するために、代表的な子供たちの性格を6つにまとめたものです。
アダルトチルドレンは6つのタイプに分類されるというわけではなく、この他にもいくつかに分類されるケースもあります。

いずれのタイプも、子供ながらにその家庭に足りない要素を補おうとして行動しているのです。
このようなアダルトチルドレンの特徴は、子供が問題を抱えた家庭の中でうまく生き抜くための方法なのですが、大人になって家を離れたとき、人との関わりがうまくいかなかったり、どのように生きていけばよいのかわからなくなったりするのです。

アダルトチルドレンは病気?

アダルトチルドレンは病気ではなく、症状です。
このような子供のころから身についた性格のために大人になってからもイライラ、焦り、寂しさがあったり、完璧主義、優柔不断、人との距離が掴めないなどで対人関係がスムーズにいかなかったり、胃腸障害、アレルギーなどの身体症状があらわれるなど、生きづらさを抱えることが多くなります。

ただ、こうした症状放置すると、うつ病や強迫性障害などの精神疾患に移行してしまう可能性が高くなるのも事実です。

そうならないためには、過去から現在に至るご自身の状態に気づき、これまで「こうでなければならない」と思っていた思い込みを手放す必要があります。

もし、あなたがアダルトチルドレンの気質があるかもと思ったら、
一人で悩まずに声をかけてくださいね。