魂がよろこぶ こころの自己治癒力を高めるカウンセラーの とみ です。
本日も読んでくださりありがとうございます。
みなさんは六条御息所(ろくじょうみやすどころ)ってご存じですか?
源氏物語に登場する架空の人物です。
■六条御息所ってどんな人?
もともと東宮(将来の天皇)のお妃でしたが、東宮に先立たれ未亡人となります。
身分の高さに加え、容姿の美しさ・気品・教養全てを兼ね備た完璧な女性です。
そんな彼女は、今をときめく貴公子・光源氏と恋人関係になります。
しかし光源氏には正妻がおり、さらに他に何人も恋人がいました。
しかも彼女は光源氏より年上でだったこともあり、光源氏に対して素直に気持ちを伝えることができなかったのです。
葵祭の日に光源氏を一目見ようと目立たない車で出かけた六条御息所は、光源氏の正妻である葵上(あおいのうえ)の一行と鉢合わせしてしまいます。
従者同士が争い、しまいには車を壊され人目に晒されてしまいます。
プライドを傷つけられた彼女は、更に嫉妬心を燃やします。
光源氏を愛するがあまり、嫉妬に身を焦がした六条御息所は、生霊となって葵上を苦しめるのです。
恐らく六条御息所をご存じの方はこの辺りの話を知っていて、恐ろしい女性という印象が強いのではないでしょうか。
でも、彼女は、自分自身が生霊となって葵上を苦しめているなんて気づいていなかったのです。
自分がそれほど強く嫉妬しているという自覚がなかった彼女は、葵上の元で焚かれている護摩の香りが自分についていることに気づき、衝撃を受けます。
なんて自分は恐ろしく恥ずべきことをしてしまったんだろう、そんなつもりはなかったのにと思うのと同時に自分はこれほどまでに光源氏のことを思っていたんだ、葵上を恨めしく思っていたんだと気づいて、自己嫌悪に陥るのです。
■なぜ生霊となったのか?
ここで、みなさんに考えてほしいのは、高貴な身分で、美しさ・気品・教養にあふれた六条御息所がなぜ、生霊になってしまったのか。
彼女が嫉妬深かったからでしょうか。
彼女がとてもプライドが高かったからでしょうか。
もちろんそれもあると思うのですが、それだけではありません。
高貴な身分で、美しさ・気品・教養にあふれていたということは、ある意味優等生だったわけですよね。
だからこそ自分の弱さを見せることもできなかったのでしょう。
ちょっといじらしい一面も持っていたのですね。
素直に自分の気持ちを伝えることができず、そして誰にも話せずに、自分の本当の気持ちを抑え続けた結果、爆発してしまった、これが、彼女が生霊となってしまった原因ではないかと思うんです。
■頑張らないと認められない?
これってアダルトチルドレンの方が、お母さんの顔色を伺ったり、お母さんに喜んでもらいたくて頑張る姿と同じだなって思いました。
小さいころから、勉強もできてスポーツもできてそれを褒められて育った人は、その優等生である状態を続けなければ自分は愛されないと思っていることがあります。
自然と、勉強もスポーツも人一倍頑張るのです。
そうすることでお母さんに褒められたり、周りの大人に褒められたりすると、更に頑張ってしまうのです。
例えば、サッカーが上手で、チームではいつも中心的な存在、当然いつもレギュラーという人が、選抜の日に、ちょっと調子が悪くてレギュラーメンバーから外されてしまったなんてことがあると、自分でこっそり次の日の試合の準備をしたなんてことがあるかもしれません。
レギュラーを外れたことをお母さんに言ったらお母さんが悲しむと思って言えないんですね。
こんな経験がある人は、とにかく、なんでもできる自分、スポーツで活躍している自分でなければ認めてもらえないと思っていたりします。
■うまくいかないとどうなる?
順調にやれている時は問題ないのです。
うまく行ったことがさらに自分の自信にもなりますから。
でも、いつもがそううまく行くとは限りません。
頑張りすぎて体調を崩してしまうこともあるかもしれないし、信じていた人に裏切られたなんて経験をすることもあると思います。
そのときに、これまでうまくいっていたのにどうして?なんでうまくいかないんだ?
と、一気にこれまでの自信を失ってしまうこともあるのです。
そんなときに、人に相談したり、愚痴を言ったりできる人はまだ良いのですが、これまで優等生だった人は、なかなかそれができないのです。
うまくいかない自分を人に知られなくない、何よりもそんな自分を自分で認めたくないのです。
そうなると、ひとりで悩むことになります。
そんな時は、心の悪循環に陥ってしまうものです。
そしてさらに苦しい状況になってしまうのです。
思い悩むあまり、眠れなくなったり、人混みが苦手になったり、電車に乗れなくなってしまうなんてこともあります。
■自分の気持ちを受け入れよう
そうなる前に、是非、今、自分が感じていること、思っていることを声に出してみてください。
家族や友達に話すのもよいのですが、周りの人がみんなあなたの気持ちをそのまま受け止めてくれるとは限りません。
ですから、まずは、自分に語りかけるといいでしょう。
その時のとっても大事なポイントは、そう思っている自分自身をそのまま受け止めてあげること。
普段はそんなこと言っちゃだめだと自分に言い聞かせているようなこともです。
これまで優等生で育ってきたあなたは、「そんなこと言ってはいけないよ」と言われたことは素直に言わないようにしてきたでしょうし、
もし、言ってしまったとしたら、知らず知らずのうちに自分を責めてしまっていたりします。
まずは、良い悪いではなく、今の自分が思ったことをそのまま受け入れてあげましょう。
「そんな風に思うよね」、
「そう言ってしまうくらい辛かったんだね」
って。
これを続けていくと、少しずつ、
「うまくいかないこともあるさ」、
「誰だって失敗することはあるよ」
って思えるようになります。
「ポジティブなことを考えるあなた」も「ネガティブなことを考えてしまうあなた」もどちらも大切なあなたです。
両方のあなたがいるからこそ、こころのバランスが取れるのです。
ですから、片方を切り捨てるなんてしないで欲しいなって思います。
自分の気持ちを押さえつけて、我慢し過ぎて、爆発する前に、
体やこころを病んで普段の生活に支障をきたす前に、
少しずつ自分の気持ちを声に出してみて、そして自分で受け入れていきましょう。
自分で受け入れるなんてムリ!という方は、私といっしょに、うまく行く方法を探してみませんか。